From:DENNY喜多川
間もなくバレンタインデー。
「決戦は水曜日!」
とばかりに高級チョコの用意や、エステにおしゃれとキメている女性もおいでだろう。
ところで、高級チョコの代名詞であるゴディバのチョコが手元にあったら、ロゴマークを見て見て欲しい。
長髪の女性が馬に乗っている姿が描かれているが、この女性、フルヌードに見えないだろうか?
目の錯覚でも、デザイナーの手抜きでもない。
正真正銘、
「全裸の長髪女性が馬に乗っているところ」
なのである。
ゴダイヴァ夫人の伝説
彼女の名前はゴダイヴァ夫人。
十一世紀イングランドの領主、マーシア伯レオフリックの妻である。
「きちんとした貴族の女性が、どうしてストリーキングを?不貞の罰?まさか趣味!?」
十一世紀イングランドにストリーキングが趣味の貴族女性は……いたかもしれないが、高級チョコのブランド名(ゴダイヴァ=ゴディバ)とブランドロゴになったりしないだろう。
不貞の罰という線も、同じ理由で消える。
ここで、ゴディバ社の説明を見てみよう。
『領主レオフリック伯爵とその美しい妻レディ・ゴディバの伝説は、1043年、英国の小さな町コベントリーで生まれました。
レオフリック伯爵は、コベントリーの領主に任命され、この小さな町を豊かで文化的な都市へ発展させようと決意しました。
大変信心深かったレオフリック伯爵とレディ・ゴディバは、初めに大修道院を建設しました。
修道院はさまざまな宗教的、社会的活動の中心となり、この成功により伯爵の野心はますます燃え上がり、次々と公共の建物を建てては、領民から取る税を増やします。
あらゆるものを課税の対象とし、肥料にまで税金をかけ、領民は重税に苦しみます。
心優しいレディ・ゴディバは、貧しい領民にさらに重税を課すことがどんなに苦しいことか、伯爵に税を引き下げるよう願い出ました。
伯爵は断りましたが、彼女は何度も訴えます。
ついに議論に疲れた伯爵は、彼女に告げます。
「もしおまえが一糸まとわぬ姿で馬に乗り、コベントリーの町中を廻れたなら、その時は税を引き下げて建設計画を取り止めよう。」
翌朝、彼女は一糸まとわぬ姿で町を廻りました。
領民たちはそんな彼女の姿を見ないように、窓を閉ざし敬意を表しました。
そして伯爵は約束を守り、ついに税は引き下げられました』
『ゴディバの創始者ジョセフ・ドラップスと妻ガブリエルは、レディ・ゴディバの勇気と深い愛に感銘し、1926年ベルギーに誕生した自らのブランドに「ゴディバ」の名を冠しました。
以来、ゴディバはその愛の精神をチョコレートに込め続けています。
味わう人すべてを幸せで満たす芳醇な味わいは、人を思いやる深い愛を伝えます。
ゴディバのチョコレートを味わうひととき…それは愛に満ちた時間です』(以上、ゴディバ社のWebサイトから引用)
なるほどなるほど、ゴダイヴァ夫人は、言ってみれば聖女。
その尊い行い(現在の価値観ではDV以外の何物でもないが)に感銘を受けたればこそ、創業者夫妻はその名とイメージを採用したのである。
ええ話やないか。
「ええ話」じゃぁ終われない!
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