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不倫こそ本当の純愛ではないだろうか?【官能小説】

投稿日:

From:藤村綾

 

どうも、今まさに不倫5年目の藤村綾です。

不倫はいけない行為です。

けれど、あたしはそれでも渦中の彼をまっすぐ愛しています。

ゆがんだ感情かもしれませんが、不倫は純愛だと思うんです。

そんなあたしの不倫短編小説を読んでいただきたく思います。

 

誰にもいえない禁忌な恋

 

待ち合わせ場所はヨウちゃんの取材現場近くの駅になった。

あたしの住んでいる街から四つ先の駅。

 

《時間があまりないんだよ。なんならこっちまで来られないかな》

 

朝、目覚めた音がヨウちゃんのメールで、あたしはびっくりして、すぐにメールを打った。

 

《うん。いい》

 

まで打っている最中、電話の画面に切り替わって(シュウ)とゆう名前の文字がうつしだされた。

 

『あ、俺、悪い。時間ないから電話した。寝ていたの?』

 

はっきりいって寝ていたもなにもヨウちゃんのメールにより起こされたのよ。

と、言いそうになるも、

 

『いいえ』

 

あたしははっきりと否定をした。

けれどヨウちゃんは気がついている。

 

あたしが今の今まで寝ていたことに。

無防備な格好寝ていたことに。

 

時計はしかしまだ朝がはじまった時間だ。

現場監督の朝は人の倍ほど早いし、土曜日でも日曜日でも祝日でもなんでもクライアントさんが出席をすれば監督はゆかないわけにはいけない。

 

『時間あるの。あやちゃんは?来れらるの?』

 

久しぶりに耳に届く声にうっとりとする。

 

『うん。何時でもいいよ。

ヨウちゃんに任せるわ』

 

ん〜、じゃあ、電話越しにいるヨウちゃんが眉間をおさえどの時間なら大丈夫なのかなあと必死で考えてる姿が見ていなくてもわかる。

 

『っとお、午後の三時はどうかな?』

 

『うん。大丈夫よ。電車に乗るときにメールする』

 

起きたてのしわがれた声になりそうこたえた。

 

『わかった。どうせまた寝るんだろ?』

 

『寝ないわ』

 

あたしはまたどうでもいい嘘をついた。

ささいな電話の中ですでに二つも嘘をついている。

 

ヨウちゃんのメールで起こされ、今起きたてほやほやなこと。

ヨウちゃんの言葉どおり今からまた寝ること。

 

あ、三つ目の嘘。

ヨウちゃんには奥さんがいること。

 

わたしの愛する人には奥さんがいる

 

月に一度あえればマシな方だ。

 

気まぐれなヨウちゃんは仕事の苦難と愚痴と性欲が溜まってきたころに連絡がくる。

その周期はだいたい月に一度の月はじめ、あるいは二十日を過ぎたところだ。

 

何度も何度も別れているし、何度も何度もくっついている。

情熱過多の初期のころには毎日とあっていたし、毎日メールをした。

 

その情熱はいっとき千度以上を上回り、その後は徐々に下降傾向になっていった。

 

その後、奥さんにバレ別れ、それでもまたあって。

また奥さんにバレ。

けれどやっぱり離れることが出来ず、もはや、異常だと聞く人が嘆くかもしれないが、出逢って5年。

 

またしかし懲りずに会っている。

 

会っているけれど、あたしはいつだって彼が愛おしいし大好きなのは変わってはいない。

 

禁断の恋

 

不倫は淫らで救いようのない禁断の恋。

 

「もう、わかってるから!」

 

あたしは自分で問いかけ、いちいち律儀に頭を抱えこたえている。

 

《四十二分の電車にのります》

 

電車に乗る前にメールをする。

もちろん返信などはない。

 

あたしは窓際の椅子に座って、車窓を眺めた。

すいかグミを食べながら。

 

土曜日のホームはあまり人がいなかった。

ふと、なつかしい匂いがすると思い、横を見ると、姉妹らしきお揃いのピンクのワンピースに身を包んで、お手製のおにぎりを無言で頬張っていた。

 

姉妹のまえにまあるく座っているのはおばあちゃんだろうか。

目を細めながら姉妹をみつめている。

 

お上品におにぎりを食べる姉妹たちは無垢な目をおばあちゃんに向け、ニコリと笑ってみせる。

 

かわいいなぁ。

あたしはヨウちゃんの子どもさんのことを思った。

娘が二人いる。

小学生の女の子たち。

 

苦しくなるとき

 

急に胸が苦しくなる。

 

あたしはあわてて目を車窓に向け、発車の合図の笛と同時にベットボトルのお茶を出し急いでごくごくと喉を鳴らしながら飲んだ。

胃にお茶が染みいるのがわかる。

 

「はぁ」

 

あたし何をしているのだろう。

時折わからなくなる。

 

このままいけば、他所に好きな男などできるわけなどない。

いつのまにかあたしはすっかり三十五歳になっている。

 

三時前に駅につき、キョロキョロと見渡してもヨウちゃんの車はなくあたしはおもての椅子に腰掛け文庫本を開いた。

 

『文学少女?』

 

以前ヨウちゃんに揶揄をされ、まさか、クック。

あたしは笑ったけれど。

本当は読書が大好きなオタク女子。

 

ちょうどいい五月の半ばの昼さがり。

あたしはまどろみながら文字を目で追った。

 

十五分がたった。

連絡もまだない。

けれど忙しい人だ。

来られないのなら連絡がくるはず。

 

あたし文庫本をしまって、駅前にあるコンビニに行こうと歩き出した。

 

ヨウちゃんは忙しい人

 

【ピピ】

 

背後から車のクラクションが鳴らされ驚いて振り返るとヨウちゃんだった。

 

あ、あたしは『あ』の字を口で作ってヨウちゃんの車の助手席にのりこんだ。

 

「あ、あれ?いつきたの?」

 

「三時」

 

「え?だってあたし居たよ」

 

車の停まっていた位置が木の陰の死角になって見えなかったのだ。

 

メールをくれたらよかったの、までいいかけると、ヨウちゃんの電話が鳴った。

ひっきりなしに来る電話の対処でメールが出来なったと後できいた。

 

「忙しいんじゃないの?」

 

あたしはとても気になって訊いてみる。

 

ヨウちゃんはあたしの方に顔を向け、「忙しい」と、素直にいい、「でも、今日でないと会えなかったから」と付け足す。

 

「うん。ごめんなさい」

 

あたしはいつだって謝る。

忙しいってわかっている。

けれど、会いたい。

 

会っていれば、そのときだけはヨウちゃんを思い出さないで済むのだから。

 

会っているときだけは特別なのだ。

会わないと思い出し、会えば思い出さないでもいい。

 

だって、そこに本物がいるのだから。

 

「今、現場ってこの辺なんだね」

 

「そう、まあね」

 

ヨウちゃんはすっかり火にやけていた。

松崎しげるより少しでだけ色が薄い。

 

「また夏がくるなぁ〜。あ、やだね〜」

 

おもてはまだ初夏をも思い出させない空気をまとっている。

あたしは窓の外に目を向け、欠伸をした。

 

車はどこに向かっているのだろう。

けれど、あと、数時間後はまた別々の世界に帰らないとならない。

 

ヨウちゃんの背中…

 

今日はヨウちゃんの背中はカサカサではなかった。

奥さんにかゆみ止め塗ってもらっているんだな。

 

あたしはヨウちゃんの背中にわざと爪をたてた。

真っ赤な情熱の色のネイルはときに凶器に変わることもある。

 

「また」

 

「ええ、また」

 

あたしは駅で降ろされる。

 

ヨウちゃんの体液を中に残したまま。

背中に傷を残したまま。

 

一緒にいた時間は三時間十二分だった。

 

すいかグミあげればよかったかな。

甘い甘いスイカの嘘くさい味のするグミを。

(了)

 

都合にいい女でもいいと思っている

 

相手からの連絡がないと会えない。

待つだけの女だ。

待ってカラダを提供し、人目を避け決して誰にもバレてはならない。

 

不倫が我慢と忍耐と自分を殺すことだ。

それができない女性は不倫はやめるべき。

 

好きだから、あってくれるだけでいい。

と最初は思うが女はいつも好きな男性を独占したがる生き物。

 

もう誰かのものだから、独占などはできない。

不倫には向き不向きがある。

 

決して後悔のない不倫純愛を行ってほしい。

 

 

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