こんにちは。白玉あずきです。結婚を視野に入れた人生を考えているけれど、さて、どうしたものだかと、もやもやしている働くアラサーのみなさんに、「本当にこの人と結婚していいのか」をジャッジするヒントにしてほしい「その男と結婚しちゃダメ!」図鑑。第20回は「港区男」です。
「港区男」は結婚しない
この連載は、「お付き合いしている相手がいて、なんとなく結婚の話が出ているがーー」という状況の中、今ひとつ踏み切れずにいるアラサーさんに向けた結婚ガイド。
男性の生態を解説することで、相手、および結婚に対するもやもやの原因を解きほぐし、善後策を一緒に模索していこうぜ! という企画です。
しかし、「港区男」は結婚しない。
もし、あなたの相手が「港区男」だったとしたら、どうぞ安心してください。「結婚しようかな~、でもな~、どうしようかな~」なんて、悩む必要はありません。彼のほうは、1ミリもあなたと結婚する気はないので、その悩み、ムダです。
東京・港区エリアに生息し、財力で女性を口説く怪獣「港区男」
年収1500万円以上、経営者や有名人、士業やギョーカイ人といった肩書きをもつ彼らの拠点は、地下深くや熱い扉の奥にある顔認証システムの会員制バーや、タワーマンションの最上階にある自宅。そこに、「我らに選ばれし者」として一定量の女性を招き入れ、定期的な恋愛活動を行っています。
「選ばれし者」の頂点は、芸能人やアナウンサー。「港区男」は、グラビアアイドルやモデル、読者モデルといった女性たちにもおなじみです。
たまーに、麻布十番や西麻布の地上にある高級すし店のカウンターや、シャレオツ系飲み屋の奥のソファなどで、一般人に交じって目撃されることもあります。
そんなときの「港区男」は、たいがいスマホでFXをやっています。
スマホをいじりながら、女性の会話につまらなそうに生返事をしていたと思ったら、いきなり顔を向けて誇らしげに「今、300万円儲けた」なんて言っている、そんな男がいたら、それが「港区男」です。
彼らが一般人と地上にいるメリットは、地下や上空よりWi-fi環境が安定しているから、という以外にありません。
そして、「港区男」は財力があるので、口説き方が豪快です。
いきなり「来週からハワイに行くんだけど、一緒にくる?」とか、「明日からクルーザーで新島に行くけど、どう?」とかしれっと言ってくる。スケジュールさえ合えば、もちろん無料ご招待です。
「はぁ? なんでこの私がアンタと泊まりででかけなきゃいけないのよ」と袖にされることもありますが、この太っ腹ぶりは「男らしい! ステキ! 」と目を輝かせる女性のほうが圧倒的に多くて打率は上々。「付き合ったら、もっとステキなことが起こるかも!」という錯覚も起こさせます。
「港区男」を本気で好きになってしまい、彼からの誘いにいつでも答えられるようにと、会社を辞めてしまった女性もいるくらいです。
社会的地位を築き、自信に満ち溢れた成功者に、「月に30万程度しかもらえないのに、毎日朝から晩まで働く人生って虚しくない?」「一度しかない人生なんだから、もっと、有意義に過ごすべきなんじゃない?」などと言われると、キラキラ女子やミーハー女子だけでなく、「お勉強もできたし、顔だってあのコよりずっとかわいいのに。私の人生、絶対こんなはずじゃない」ともやもやし続けてきた知的美人女子までも、「キタコレ!」と思ってしまうのは、しかたのないことです。
でも、改めて言いますが、「港区男」は結婚しません。
「港区男」の女性観は「若さ」と「見た目」のみです。
内面に関しては、性格がずる賢かろうがキツかろうが、はたまた家庭的でなかろうがどうでもいい。
このせいで、それまで窮屈な恋愛をしてきた女性ほど、「彼は私の丸ごと受け止めてくれる。自分を変える必要がないから、一緒にいてラク」と、いいほうに考えてしまうんですが、「自分の生活を邪魔せず、都合を合わせてくれ」さえすれば、どうでもいい、というだけの話です。
そして、「港区男」は「チェンジ」が好き。
恋愛相手の必要スペックが年齢(若ければ若いほど良し)と見た目だけなので、経年劣化、および、「めんどくさい状況の構築」で償却・新規購入です。あなたの「もう30歳になるんだから結婚してくれるべき」「ずっと待たされて、30歳を超えたんだから責任をとって結婚して」とかいう気持ち(都合)は怪獣には届きません。むしろ、そこで、ジ・エンドです。
しかし、「港区男」の平均寿命は39歳まで。稀に40歳を超えても生きている怪獣もいますが、40歳の誕生日を迎える直前に、「港区男」としての死期を悟り、本気で女性を愛し、結婚しないとまずいと思い始めるようです。
つまり、「港区男」の彼が「元・港区男」という新形態になれば、「結婚」の可能性は出てくる。
ただ、それまで待てるのか、って話です。そして、新形態になったとしても、女性観が変わるわけではありません。浮気は必須です。
一方、自分は、「彼の生活を邪魔せず、都合に合わせて」生き続けなければいけない。
「それがあなたにできるかしら? 」と月影千草先生が尋ねたとき、あなたが北島マヤのように「できる…。私ならできる…。先生、わたし…、私、女優になります!」と言えたなら、アリです。
ちなみに、こんなセリフのやりとりは『ガラスの仮面』にはありません。ちょっとそんな気分になっただけです。
written by 白玉あずき