「子供を産んだら、仕事はやめなきゃだめ?」
「復職するのは難しいって聞くけど…実際のところどうなんだろう?」
「働きながら子育てをするママさんは、どういうスタイルで働いているの?」
などなど、子育てと仕事の両立については、かなり気になるトピックですよね?昔に比べ、女性も働きやすい環境にはなっていますが、実際のところ、育児支援をしてくれる会社はまだまだ数少ないもの。一度育児休暇に入ったあと、復職しても今までどおりの部署から異動させられる、恐怖の事例は多々あるのだとか。
まだまだ子育てをする女性に優しい環境とはいえないなかで、子育てと仕事を両立するママさんたち。一体彼女たちはどのようにして、子育てと仕事を両立しているのでしょうか?
「子育てと仕事の両立」をどう実現するか?
- Lips girlステータス
- 名前 :カナコ
- 職業 :ベンチャーIT会社
- 年齢 :36歳
- 学歴 :青山学院大学
- 年収 :560万円
- 交際期間:5年
- 住んでいる所 :中目黒
- 好きなブランド:Theory
- 似ている芸能人:小池栄子
今回取材に応じてくれたのは、交際2年で見事ゴールインを果たし、現在2歳児息子をもつカナコさん。もちろん、出産後も仕事も続けており、社内でも比較的大きな案件のプロジェクトリーダーも務めているのだとか。子育てと仕事の両立が上手にできているように見える彼女ですが、そこには様々な苦労と葛藤があったのでした…。
カナコさんはお子さんを生む前から、現在働いているIT会社にお勤めですよね?どのような形での休暇をとったのでしょうか?
「はい。今働いている会社では32歳のころから働いています。33歳で結婚して、その後すぐに妊娠が発覚し、出産したのが34歳のとき。子供を生むならなるべく早く!と思って、かなり妊活に力をいれて、念願の妊娠でした。とはいうものの、やはり会社内では後輩もそれなりにいて、休みづらいポジションであることはわかっていました。しかし、仕事を休みづらいからといって、子供を生むことを先送りにするわけにもいかないし、職場になにを思われようと、それなりに産休と育児休暇は取るつもりでいました。
しかも、思えば産休第一号が自分だということに、妊娠してから気づいて。それに気づいた時は、さすがに“どうしよう~”と思いましたが、逆に私が後輩たちのためにしっかり休まなくてはと思い、決意は固かったです。産前休暇は規定通り出産予定日の6週間前からとり、産後休暇は6週間でした。」
おーなんと!産後6週間で!産後6週間で復帰するのはかなり早い方じゃないですか?
「そうですね、早いと思います。でも、今まで激務をこなしてきたので、家でじっとしているとなんか不安になってしまって。ちゃんと休もうと思ったわりに、早く復帰してしまいました(笑)」
そうなんですね。復帰にあたって、お子さんを実家に預けたりしたのでしょうか?
「いえ、私も彼も実家が地方だったので、保育園に預けていました。今話題になっているように、待機児童の問題はかなり深刻で…。1歳児クラスには入れそうもなかったし、0歳児クラスからいれることにしました。結果、生後2ヶ月で、保育園に預けることになりましたね。」
例の“日本死ね”の問題ですね。深刻な問題になっていますよね。0歳から預けることについては、不安はあったのでしょうか?
「もちろんありました。生後2ヶ月ですよ?私たちの世代で、生後2ヶ月で預けられていた子なんて、多分いないですよね?だから、罪悪感というか、自分の中でものすごく葛藤しました。でも、この機会を逃したら、多分保育園に預けることが難しくなるし、そしたら仕事に復帰するのが遅くなる。色々考えた結果、子供が生まれたことで拘束されて、ずっと家で鬱々としているより、子供を預けて、働きに出て笑顔で帰ってくるお母さんの方が子供のためにもいいかなって思ったんです。なので、保育園に預ける決断をしました。」
たしかに、「子供のせいで会社に戻れない」と思うのは、自身のお子さんに対しても失礼ですものね。では、今までと同じようなスタイルで、会社に復帰したのでしょうか?
「会社には勤務形態を変えてもらい、時間給のアルバイト契約にしてもらいました。会社に5時退社の週3という希望条件をだしたら、勤務形態を変更してくれれば、受理するといわれ、そのスタイルで働いています。仕事内容は、産休前とほとんど変わらず、給与と働き方が変わっただけなのはありがたいですね。」
会社復帰に踏み切った理由は?
お話を伺っていると、かなり仕事していることが好きなように感じられるのですが、それが仕事に復帰したかった理由なのでしょうか?
「仕事は好きです。でも、それだけで早く復帰したかったわけではありません。正直にいって…こんなこと言うと母親失格のように思われちゃうかもしれないんですけど、子供とずっと二人でいるのが、もう結構限界に達していたんです。私の実家も彼の実家も、地方なので親に頼ることもできず、私の周りは結婚も子供もいない友人ばかりで…。誰かに相談することはおろか、育児の辛さを分かち合うことすらもできなかったんです。
子供が夜泣きしたり、ぐずったりするのは、当たり前だって分かってはいるんですけど、少しもリフレッシュできないまま子供が泣いたりすると、もう爆発しそうになるんですよね。もしかしたら虐待してしまってもおかしくない、という精神状態まで追い詰められていました。それでこのままでは絶対によくないと思い、仕事をどうにか復帰させようと考えたことも理由のひとつです。」
たしかに頼れる人がいないなかでの育児は結構辛いものがありますよね…。一般的に、仕事と育児の両立の方が大変に思われていると思うのですが、それについてはいかがですか?
「たしかに仕事で疲れて帰ってきて、家事と子供の世話をするのは体力的にかなり疲れます。しかも、そんななか泣きわめかれたり、いつまでたっても泣き止まなかったりすると精神的にもきますね。ですが、仕事に復帰したことにより、息子と一緒にいられる時間が減ったので、以前よりは穏やかな気持ちで接することができます。
産後、二人でずっと家にいたときは子供が言うことを聞かないと、自分の全てがだめなんだ、と思ってしまいがちでした。子供が私の全てだったので。ですが、社会にでると、もっと広い視野で物事を見れるようになったので、それはかなり大きかったと思います。」
会社復帰?それともパート?
ではなぜ、もとの職場に戻ったのでしょうか?パートなどは考えなかったのですか?
「主婦のパートさんみたいなのは、私は嫌だったんです。スーパーのレジ打ちをしてても、結局それは“主婦の私”の一面でしかない。そうやって自分を一つの型に押し込んでしまうのはどうしても嫌だったんです。」
なるほど~。社会との関わりを“カナコさん”として持ちたかったんですね!だんなさんは 保育園に預けることについてや、仕事復帰の際にどのような言葉かけをしてくれたのでしょうか?
「保育園に預けることについては、最初はやっぱり嫌がっていました。でも、私の顔色があまりにも悪く、本気で限界だということを感じ取ってくれたのか、最終的には理解を示してくれました。今は、朝保育園に連れて行くのが夫の仕事で、休日は家事もしてくれます。イクメンまではいかないですけど、わりと家庭的なのでかなり助けられていますね。仕事の復帰についても、“私の精神状態がこのままではおかしくなる”と訴えたところ、承諾してくれました。」
おおお~!素敵な旦那さん!やっぱり旦那さんのサポートも大切ですよね。育児と仕事を両立することができるかについて、悩んでいる人がいたらなんとアドバイスしたいですか?
「両立は大変です。ですが、子育て一本でいるのも実はかなり大変だと思います。もし、近くに自分の親や頼れる友達がいるのなら話は変わりますが、なるべく保育園などは利用した方がいいと思います。日本ではまだまだ、子供が小さい時は親がそばにいることが一番という風潮がありますが、この時代にそんな風潮があるのは日本くらいです。なので、保育園を利用することを罪悪感に感じることはありません。まずは自分を心身ともに健康的な状態にもっていくこと、これを一番大切にしてください。
仕事を始めてからも、もちろん全てを一人で抱え込んではいけないと思います。一人でできることは意外に限られているんだと割り切って、周りにサポートしてもらいつつ、生活できたらいいですよね!」
仕事と育児の両立は大変。一方で、社会と全く関わらずに子育てを続けるのも大変。このバランスをとるには周りのサポートが必要不可欠とのこと。なるべく一人で全部をこなそうと考えがちですが、そうするとおそらくどこかで限界を迎えるはず。ですので、利用できるものは全て利用する心構えでいることが大切なのかもしれません!
育児と仕事どちらを取るか、ではなく、いかにバランスを取っていくか。そのことが難しく、そして非常に重要なのだということをみなさんも忘れずに、一番最善の選択をしていきましょう!