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【小説】 Vol3 許しすぎる女の価値は紙より軽い<後編>

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男心を知らずして、男とうまくいこうだなんてちゃんちゃらおかしい。ここでは、男心を知らないばっかりに失敗した女性達が、男心を学んでいく姿を描きます。失敗は成功の元。さあ、いっしょに男ってヤツを学び、恋愛偏差値をあげていきましょう。

 

  • <先週までのお話>
  • スタイリストアシスタント佐知子・27歳。超売れっ子スタイリストカナオについて4年になる。人使いの荒いカナオにこき使われる毎日だが、仕事はひたむきに頑張っていた。駆け出しカメラマン篤志と同棲して3年。最近、不審な淳の言動に耐え切れず、携帯を盗み見ると、そこには、カナオ、そしてモデルの悠美との浮気の証拠が。。。

 

 

男の浮気を「本命は自分」と言い聞かせる、切なさ

 

翌朝、篤志はロケバスの拓哉さんたちと出かけると言って、朝早く出かけた。おそらく、嘘だ。悠美とドライブに行くのだ。けれど、ちゃんと私に嘘をついているうちは、まだ大丈夫。私にばれたくなくて隠そうとしているうちは、まだこちらが本命だから。。。そう自分に言い聞かせ、仕事に出かけた。

 

土日は返却準備で第2アシスタントの彩と二人、コーディネートルームにこもった。仕事が忙しくてよかった、とこんなにも思ったのは初めてだ。一人で家にいたら、不安とさみしさで押しつぶされそうになっていた。

 

月曜日は朝から返却。

「ごめん、拓哉んちに泊まるわー」とLINEがあり、篤志は結局土日は帰ってこなかった。ちゃんと嘘をついてくれてるうちは大丈夫。佐知子はもう一度自分に言い聞かせた。

 

哲也の優しさに救われる

 

今日もドライバーは哲也さん。3代目の岩ちゃん似の哲也さんはイケメンなだけじゃなく、本当に優しい。返却は本当なら自分がプレスに返しに行かなくてはいけないのだが「佐知子ちゃん、また寝てないんでしょ。いいよ、俺が返却行ってやるから、中で寝てな。なんか問題あったら起こすから」といってくれた。哲也さんの優しさに思わず我慢していた涙が溢れ出した。

「どうしたの? おおげさだなあ」

「でも、だって。。。」

「寝てないときはさ、情緒不安定になるんだよ。寝たら、スッキリするからさ、ほらとにかくおやすみ」哲也さんがかけてくれたブランケットを抱きしめて眠りに落ちた。

 

全てを手に入れているカナオと、何もない自分

 

「佐知子、今どこ?」

「あ、小道具借りにEASEにいます」

カナオさんのいつものLINE。

 

自分の恋人を弄んでゴミのように捨てた相手なのに、いつもと変わらぬ態度でいられる自分を不思議に思った。

「今さあ、私服の撮影してんだけど、バッグ持ってくんの忘れちゃって。私の部屋入って、いくつか持ってスタジオそっこうきてくんない? 管理人には電話しとくから」

「わかりました」

広尾のカナオのマンションまでタクシーを飛ばした。

荷物を取りに何度か部屋に入ったことはあるが、

一人でくるのは初めてだ。

改めて眺めると、本当に素敵な部屋だ。 20畳はあろう大きなリビングには高そうなレザーのソファーと大きな観葉植物、おしゃれなアートが飾られている。奥のベッドルームは、大きなクイーンベッドにおしゃれなカバーがかかっていて、まるでホテルみたいだ。その奥がウオークインクローゼットになっている。Valentino、イザベルマラン、サンローラン、セリーヌ、ELIN、、ずらりと新作が並んでいる。クローゼットの片隅に見覚えのあるブルゾンがかかっていた。哲也さんがよく着ているものに似ている。

 

バッグを棚から取ろうとすると、カードが落ちてきた。写真がついたバースデイカードで、写っていたのはカナオさんと哲也さん。海外のビーチで撮影した写真だった。「Happy Birthdayカナオさん。29歳のバースデイを二人で過ごせて最高に幸せです。この一年もカナオさんにとって素敵な一年でありますように」

 

服も、仕事も、男も、カナオさんは、すべて手に入れている。

私が欲しいもの、私が憧れているもの、私が持っていないもの、すべて。

 

佐知子はへなへなとそこに座り込んでしまった。

 

男にを失いたくなくて我慢を続ける佐知子だったが

 

「さっちゃん、ボンダイでお茶しない?」

美香に誘われ、仕事帰り、集合した。

 

篤志のことも哲也さんのことも美香には話せないけれど、一人でいたくなかった。

 

遅い時間だったが、二人とも食事がまだだったので、美香はパスタ、私はいつものロコモコをオーダーした。

「つか、今入ってきたの、あっちゃんじゃない? あ、一緒にいんの、あれ、GALSの悠美じゃない?」

 

美香に言われて、入り口を見ると篤志がギャルモデルの悠美と腕を組んでいる。どうしよう、、、お願いだから、私に気がつかないで。祈るような気持ちでいると、悠美が一人でこっちへやってきた。

「美香さん、おひさしぶりですー」

「悠美ちゃん、久しぶりだねー。つか、あっちゃんと一緒とか、なになに?」

「え〜〜最近付き合いはじめたんですよー」

「そうなんだー。あっちゃん、ちょっとーどういうこと? こっちにきなよー」

最悪だ。お願いだから篤志来ないで。涙をこらえるのに精一杯で顔を上げられずにいると

「悠美、行くぞ、やっぱ、おれラーメン食いたくなったから、かおたんいくぞ」

「もう〜、あっちゃん、かおたんとかないっしょ。昨日もラーメンだったじゃん」

 

篤志と悠美は店の外へ行った。泣きたい。でも、美香の前では泣けない。

「あ、私、カナオさんに頼まれてた小道具手配するの忘れたから、編集部戻るわ」不信がる美香をおいて、ひとり家に帰った。

 

帰りのタクシーの中で声を殺して泣いた。

 

もう好きじゃない。一番聞きたくなかった言葉。

 

部屋に戻ってしばらくすると篤志が帰ってきた。

「あっちゃんおかえり」

先ほどのことは幻だったかのように、できるだけ明るく言ってみた。悪い方に話がいかないように。けれど、篤志の口から出てきた言葉は最悪の一言だった。

「つか、出て行くわ。荷物まとめに来た」

不安と恐怖でいっぱいになる。

「え? どういうこと?」

「どういうことじゃねえよ。さっき見ただろ? そういうこと。つーか佐知子さあ、俺が浮気してんのとか知ってて、ずっと気づかないふりしてただろ? そういうの、たまんないんだよ。そういうのがうざいんだよ。重いし、イラつくんだよ。とにかくもうちゃんと終わりにしたいんだよ」

「、、、。悠美ちゃんと暮らすの?」

「そんなこと考えてねえよ。とりあえず、しばらく拓哉んちにいるわ。とにかくもうここは出て行く」

「いや、お願い、お願いだから、あっちゃん行かないで。私あっちゃんがいないと生きていけない」

「そういうのがうざいんだよ。もう無理。佐知子のこと、もう好きとかそういう感情なくなっちゃったもん」

 

泣き崩れる私のことなどまるでそこに存在していないかのように篤志は淡々と荷物をまとめ、「じゃ」と、顔も見ずに出て行った。

 

ひどい。どうして私ばっかり。私が何をしたというのだ。

 

篤志に全合わせしてきた。失いたくなかったから、嫌なことがあっても全部我慢してきた。浮気だって見て見ぬ振りをしたし、事実を知ってからも責めたりしなかった。なのに、なのに、どうして?

私みたいな、我慢ばかりしてる人がすべてを失って、カナオさんみたいな一つも我慢しないで、自己中な人がすべてを手に入れてるなんて、世の中不公平にもほどがある。

 

自分を虐げ全てを手に入れている女への復讐

 

 

心の奥底に澱のように溜まっていたカナオさんへの不満が、あふれてしまった。

カナオさんから何か一つでも奪いたい。

「今から会えませんか? 相談に乗って欲しいことがあって」

哲也さんにLINEを入れた。

 

 

哲也さんとは渋谷の居酒屋で飲んだ。篤志と付き合っていたこと。でも、篤志にふられてしまったことを泣きながら話した。

哲也さんは、うんうん、と黙って聞いてくれた。

 

「さ、これ飲んだら帰ろう。ゆっくり寝て明日になったら、少し元気になってるから」

「いやです、私、あの家には帰りたくないです。 哲也さんと一緒にいたいです」

「何言ってるんだよ、さっちゃんは篤志と別れて気が動転してるんだよ。今日はゆっくり寝るのが一番」

「いやです。今日だけは一人で寝たくありません。だったら、哲也さん横で寝てください。じゃないと、私、どうなっちゃうかわかりません」

「もう、しょうがないなあ。横で寝るだけだよ?」

 

はずみでやった復讐が思わぬ方向に進む

 

タクシーで1メーターの哲也さんの神泉のマンションに行った。哲也さんからは何もアクションがなかったので、私から哲也さんに抱きついた。「もう、さっちゃん、ほらほら」と背中を優しく叩かれた。自分から唇を合わせようとしたが避けられた。そんな時、玄関のチャイムが鳴った。

 

哲也さんは出ない。

 

今度は哲也さんの電話が鳴った。

 

やっぱり出ない。

 

もしかして、カナオさん?

どうしよう。。。

 

「哲也、いるんでしょ? あけて」やっぱりカナオさんだ。

「何で開けないの? もしかして女とかいちゃったりしてー。哲也に限って、んなわけないか」

 

しばらくしてカナオさんが部屋に入ってきた。

「なんで、カナオさん、急に。。。いつもこの部屋にきたりしないのに」

哲也さんが苦しそうに言葉を吐き出している。

「はあ? なんで私が責められてんの? 意味不明なんだけど」

「私、カナオさんと哲也さんが付き合ってたの、知らなくて! ごめんなさい」

いつもの癖で、つい、そういったが、もちろん嘘だ。

「別に、つきあってねえし。遊んでただけだから、お構いなく。二人お似合いじゃん、付き合えば? じゃ、私帰るわ。つか、佐知子、明日からもう来なくていいから。仕事の引き継ぎ全部、彩にしといて」。

仕事を失ってしまった。哲也さんにも迷惑をかけてしまった。どうしよう。ツイていない女はどこまでもツイていないのだ。

 

「哲也さん、どうしよう、、本当にごめんなさい、カナオさん、追いかけてください」

「あ、大丈夫。もうダメだと思うから、それにこれでよかったんだよ。それより、仕事のこと、ごめんね。でも、大丈夫だよ、佐知子ちゃんなら、カナオさんのところじゃなくっても引く手数多だよ」

「そんな、私なんて、、」

「ま、今夜はゆっくり寝よう。疲れたでしょ」

さみしくて、哲也さんに抱きついて眠った。

哲也さんは頭をなでるだけで抱いてはくれなかったけれど、それで十分幸せだった。

 

許しすぎる女は男をダメにする

翌朝、 6時に哲也さんに起こされた。

 

 

「なんかうまい朝めしでも食べにいって元気だそう」

自分だって、カナオさんとあんなことになって参っているはずなのに、私を気遣ってくれる。哲也さんの優しさに甘えることにした。

「朝、うまいもんが食べれるって言ったら、築地しか思いつかなくて、ごめんね」哲也さんは申し訳なさそうにしていたけれど、私のためにわざわざ築地まで、、、胸がいっぱいになった。

 

哲也さんと並んでカウンターに座った。考えてみれば、回らないお寿司さんに来たのは人生で初めてだ。

「佐知子ちゃんも好きなの頼みな。大将、俺はまずイカね」

「じゃあ、私もイカで」

「ははは。佐知子ちゃんらしいなあ、私もイカ、って。いいんだよ、俺に合わせなくたって、好きなもの食べれば。、まあ、そこが佐知子ちゃんのいいところなんだけど、男はね、そうされちゃうと、甘えちゃうの。佐知子ちゃん、なんでも合わせてくれて、なんでも許してくれるでしょ? 最初はさ、男は居心地いいんだけど、男はさ、こいつ大事にしないでもいっか、ってなっちゃうんだよね。ほんとはさ、佐知子ちゃんみたいな女を大事にできる男がいい男なのかもしれないけど、男はダメな生き物だからさ」

「でも、私自信ないし、、、」

「何言ってんだよ、佐知子ちゃん超スタッフに愛されてんじゃん。仕事きっちりやるし、気遣いすごいしさ、佐知子ちゃんがいるからカナオさんがここまでやってこれたよねえ、ってみんな言ってるよ。俺もいっつも佐知子ちゃんすげえ頑張っててえらいなあ、って尊敬してるもん」

「尊敬だなんて、、私、、」

 

自分を信じると書いて自信

 

「カナオさんにはカナオさんのよさ、佐知子ちゃんには佐知子ちゃんのよさがあるんだから、自信持ちなよ。恋愛だって同じ。世の中の人全員がカナオさんが好きなわけじゃないでしょ? 篤志だって、佐知子ちゃんの優しいところとろか控えめなところとかに惹かれて付き合い始めたんだと思うよ。でも、どんどん合わせちゃうからさ。佐知子ちゃんを好きになったのに、その佐知子ちゃんがいなくなっちゃうんだもん」

「私らしさ、、」

「そう、佐知子ちゃんらしさ。大丈夫、ありのままの佐知子ちゃんを好きな男は必ずいる、ていうか、いっぱいいるよ。仕事だって、佐知子ちゃんの仕事ぶり、みんな評価してるから、カナオさんに切られても、すぐ見つかるよ。それに、もう4年だろ? そろそろ独立してもいいんじゃない? 仲良い編集さんに相談してみればいいじゃん」

「さっちゃん、独立しないの? って言ってくれる編集さんもいるんですけど、自信なくって、、、でも一回相談してみます」

「ほら、やっぱ頑張ってる人のことはみんな見てくれてるんだって。恋愛も同じだよ。スタッフとかと飲むと、佐知子いいよなあ、っていうやつ、結構多いんだよ?」

「ほんとですかあ? 信じられない」

「ははは。だから、自分をもっと信じなきゃ。自分を信じると書いて自信。なんか、俺おっさんみたいだな」

「哲也さんは本当素敵です。私、哲也さんと付き合いたい。私じゃダメですよね?」

「ありがとう。でも、それはやめておこう。佐知子ちゃんを幸せにしてあげられるのは、俺みたいな男じゃないよ。俺はずっと佐知子ちゃんのお兄ちゃんみたいな存在でいられたら嬉しいな、って思ってんだ。大した兄貴じゃないけどさ笑」

あっさりフラれたのだけれど嫌な気持ちがしなかった。むしろ温かい気持ちになった。

「ありがとうございます。私も哲也さんといると安心して、甘えられちゃいます」

「俺はさ、ロケバスって仕事が気に入ってるんだよね。縁の下の力持ち、って感じだろ? この業界の人みんな大変でさ、それを陰で支えてる感に、ちょっと、俺カッコいいなあって酔っちゃってんの。男なんてそんくらい単純でアホな生き物なんだよ」

「アホだなんて、そんな、、」

「佐知子ちゃんはさ、一緒に頑張る、みたいな男がいいよ。そういう意味で言うと、篤志はぴったりだったと思うんだけどなあ。佐知子ちゃんが独立してバリバリ頑張ってたら、また戻ってくんじゃん? 篤志が悠美に本気になると思えないもんなあ。ま、それはおいといて、さっそく編集さんに連絡してみ?」

「はい、そうしてみます! 哲也さん、本当にありがとうございます」

「いえいえ、どういたしまして。縁の下の力持ちなんで、俺笑」

 

誰よりも自分をバカにしていたのは自分かもしれない。このまま編集部に行って、編集の洋子さんに相談してみよう。

篤志のことは、しばらく考えるのはやめよう。哲也さんの言うとおりになったら、それはそれで嬉しいけれど、今はとにかく仕事を頑張ろう。

 

「大将、私、うにください!」

 

一番好きなネタを注文した。

 

 

Written by Yoshie Watanabe

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