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【小説】 Vol3 許しすぎる女の価値は紙より軽い<前編>

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男心を知らずして、男とうまくいこうだなんてちゃんちゃらおかしい。ここでは、男心を知らないばっかりに失敗した女性達が、男心を学んでいく姿を描きます。失敗は成功の元。さあ、いっしょに男ってヤツを学び、恋愛偏差値をあげていきましょう。

 

  • <今週の男心を知った女子>
  • スタイリストアシスタント佐知子・27歳。超売れっ子スタイリストカナオについて4年。ショップ店員時代、雑誌で見ていたカナオに憧れ、アシスタント募集の記事を見て応募。夢かなって憧れのファッション業界に入り、ほぼ休みなし、万年寝不足、なのにギャラは月20万という厳しい現実に直面するも、一生懸命身を粉にして働く毎日。駆け出しカメラマン篤志と同棲して3年。篤志がアシスタントだった頃はとても仲のよい二人だったが、篤志が独立してから、すれ違いの日々で不安を抱える今日この頃。

「アシスタントさん、次どのラック撮影しますか?」

スタジオマンに話しかけられ、はっとなった。

ブツ撮りの撮影は、カメラマンさんにお任せすることが多く、

カナオさんの立会いがないので、

つい気が緩んでしまい、一瞬うたた寝してしまっていたらしい。

今日でほぼ三徹目。撮影準備に撮影、返却準備に返却、アポイント入れにクレジット書きなどの事務作業、そして最近はカナオさんの影武者となってインスタ投稿ににファンへのコメント返し、とスタリストアシスタントの仕事は終わりがない。

 憧れだったファッション業界へ

高校のときおしゃれに目覚め、卒業後はファッションの仕事がしたくて、仙台の専門学校に行った。けれど、今になってわかるが、地方のファッション専門学校を出たところでショップ店員になれるのが関の山だ。当時、就活相談の先生は「まずはショップ店員で現場の経験を積んでいれば、君がやりたいと言っているブランドのプレスやスタイリストへの道が開ける」と言ったが、今ならわかるが、あれは真っ赤な嘘だ。よほど見た目が良かったり、運が良かったりしない限り、道は開けない。

要するに、先生も所詮田舎の専門学校の先生、第一戦で活躍するにはどうしたらよいかの知識は持ち合わせていなかったのだ。

とはいえ、ショップ店員は、真面目で一生懸命な私の性格には合っていたようで、19歳で始めて21歳では店長を任されるようになった。しかし、店長といっても、ほんのすこし給料が上がるだけで、売り上げの責任を負わされたり、あまり喜ばしいことはなかった。仙台の駅ビルのショップの狭いバックヤードでコンビニ弁当を食べながら「私がしたかったことはこんなことじゃなかった気がする」と思ったらいてもたってもいられなくなった。

毎月穴が開くほど読んでいた「Lily」の片隅に「人気スタイリスト・カナさんアシスタント募集中」という記事をみつけたとき、「これだ!」と藁をもすがる気持ちで履歴書とカナさんとLilyがいかに大好きかについて書き綴った5枚にも及ぶ手紙を送った。編集部から面接に来るよう電話があったときは、涙が出るほど嬉しかった。人生3度目の東京。神保町にある出版社でカナオさん、副編集長さん、編集の恵理子さんに面接をしてもらったときは、あまりの華やかさに足がすくんだが、毎月Lilyを熟読し、任されているショップのブログを書く際参考にさせてもらっていること、そのブログが全国の系列ショップの中でアクセス数no1を更新していることを話すと、恵理子さんが「カナオさんのブログのゴーストもお願いできそうでいいじゃん」といい、場が湧いて、なんだか嬉しくなった。

カナオさんにその場で「いつからやれる?」と聞かれ、ショップをやめるには1ヶ月前に言わなくてはいけないと伝えると「じゃ、来月後半には来れるよね? 部屋とか借りんの大丈夫だよね?」と聞かれ「はい!」と返事をすると「じゃ、28日からきて。また前の日でもアシスタントの子から電話させるわ」と言われた時は飛びあがるほど嬉しかった。

自分が、この華やかな場所の一員になれるなんて夢のようだった。仙台に戻り、同棲していたカフェ店員の遼ちゃんに東京へ行くと告げると「別れよう」と言われた。実は、他に付き合ってる子がいてちょうどいいタイミングだ、と。

最近ほとんど家に帰ってこなくなったから、遼ちゃんが浮気していることは、うすうす気づいていた。けれど、好きだったから見てみないふりをしていた。しかし、浮気ではなく、そちらが本命だったということらしい。その夜は一人の部屋で泣いたが、東京で、あの編集部で、憧れのカナオさんと働ける、その輝きに救われ、また東京への引越しの慌ただしさもあって意外にも早く傷は癒えた。

「編集部から近いとこに住んでね」というカナオさんの言う通り、清澄白河に部屋を借りた。ここは神保町にも近いし、下町情緒も残っていてほっとするけれど、最近はおしゃれなカフェとかもできている、と雑誌で読んだ。何より家賃がそう高くないのがいい。

華やかな世界の旨味を味わえるのは選ばれた特別な人だけ

【小説】 Vol3 許しすぎる女の価値は紙より軽い<前編>

カナオさんのアシスタントになって早4年。この業界は表向きは華やかだけれど、そんなのはごく一部で、実際はとても泥くさくて仕事は地道だということを知った。そして、もうひとつこの業界に入ってわかったことがある。それは、頑張った人が成功するなんて単純なものじゃないってこと。

カナオさんをみているとわかる。生まれ持った美貌に、小さい頃から洗練されているものや高価なものに囲まれて育ってきたからこそのセンス。成功する人はなるべくしてなっているのだということが。

平凡な見た目で、雑誌に掲載されているような服は電車で2時間かけて仙台までいかないと見ることすらできないような環境で育った私は、どんなに頑張ったところで、カナオさんになれるわけではないということを思い知らされた。

それでも、やっぱり毎日は楽しかった。自分の名前は決して表には出ないし、休みもほとんどなく、寝不足が当たり前の日々だったが、最先端のファッションに触れられ、可愛がってくれるスタッフさんもいる。アシスタントさん、と呼ばれることが多かったが、憧れのモデルさんの中には「さっちゃん」と呼んでくれる人もいる。
そして、撮影でよく一緒になるカメラマンさんの第一アシスタントをしている篤志という彼氏もできた。人懐っこく、気がきく篤志はスタッフの間でも可愛がられていて、モデルにもあっちゃん、あっちゃんと慕われていた。そんな篤志が、自分を選んでくれたときは、毎日頑張っている自分への神様のご褒美だとすら思った。

カナオさんは、スタッフと必要以上に仲良くすることを嫌がるので、もちろん内緒にしているが、同棲して3年になる。佐知子のアパートに篤志が転がり込んでくる形で始まった同棲ではあるが、幸せだった。忙しいけれど、家にいるときは篤志の好きな唐揚げやハンバーグを作って一緒に食べた。たまの休みには、二人で散歩をして、近所の洒落たカフェでお茶をしていると、自分がすっかり東京の女になったようで誇らしかった。くたくたになって家に帰った明け方、篤志が寝ているベッドに潜り込んで、彼に求められると幸せでとろけそうになった。

 心の支えだった篤志の態度が変わり始める

しかし、半年前、篤志が独立してから、二人の関係は少しづつ変わり始めた。

デビューしたてでそんなに忙しいはずもないのに、帰らない日が続いた。たまに会って話をしていても上の空のように感じた。遼ちゃんの時と同じだ。篤志の心が離れかけていることに気づいていたが、佐知子にはどうすることもできなかった。

 

金曜日。今週篤志がうちに帰ってきたのはたった2度だけ。

「今日は久しぶりに早く帰れそうなの。あっちゃんの好きなハンバーグ作るから一緒に食べない?」と夕方LINEを入れたけれど、既読にすらならない。あきらめて、ヘアメイクアシスタントの美香に連絡をした。同い年の美香は業界で唯一の友達だ。カナオさんに知られると嫌なので、篤志の事は話していないけれど。

 

美香と広尾の「ボンダイカフェ」に行った。おしゃれな雰囲気で長居できるし、値段も高くないので、美香と食事するときはボンダイが多い。篤志と付き合っていることがカナオに知られてはいけないので、篤志と食事するときは基本家か家の近所にしているが、ハンバーグ好きの篤志にここのロコモコを食べさせたくて、1度だけ一緒に来たことがある。

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「さっちゃん、よく頑張ってるよね。カナオさんまじ人使い荒いじゃん。カナオさんのインスタのコメ返しまでやってるとか、ありえなくない?」

「うーん、でも、カナオさん忙しいから」

「いやいや、忙しくないっしょ。撮影以外ほぼさっちゃんと彩ちゃんまかせで、自分はパーティいってるか飲みに行ってるとかでしょ」

「でも、それもカナオさんの仕事だから」

「ま、さっちゃんがいいならいいんだけどさ。カナオさんのインスタ見るたび、そのセリーヌはさっちゃんが徹夜して働いたから買えたんだよ、ってイラつくわ」

「ありがとう。美香ちゃんがそう思ってくれるだけで、救われる」

「まあ、先生が忙しくないのも問題なんだけどね。最近真梨さん、前よか全然呼ばれなくなっちゃって。ずっと他のヘアメイクの悪口言ってるから、それ聞いてんのも疲れるもん」

「美香ちゃんも大変だね」

 

佐知子だって、カナオのインスタを見るたびに複雑な気持ちにはなる。アシスタントを始めてすぐはカナオのブログの代筆をまかされた。憧れのカナオになりきって書くブログはなんだか誇らしい気持ちになった。

3年前、インスタが流行りだしてからは、「佐知子、これからはインスタらしいから、やっといて。撮った写真ざっと送るから毎日ポストして、コメ返しとかもしといてね」そう言われ、毎日インスタを書いた。寝不足で肌もボロボロ、服もヨレヨレの自分がキラキラしてるカナオさんになりきってあげるインスタ。誇らしさよりみじめさの方が圧倒的に勝ったが、仕事だからしかたない。けれど、#CELINE  #PRADA  #GUCCIなどと書くたびに、こんな服を自分が着られる日はこない気がして、悲しい気持ちになった。

他のスタイリストさんよりインスタを始めたのが早かったカナオさんのインスタはフォロワーが多いらしく、最近はそのおかげでトークイベントやブランドコラボなどの依頼も増えているという。カナオさんのインスタを毎日書いているのは自分なのに。。。心がざらっとしたけれど、自分がインスタを書いたところで、人気になるとも思えず、世の中は所詮不公平なんだとあきらめた。

 

ついに開いてしまったパンドラの箱。篤志の携帯の中身とは?

【小説】 Vol3 許しすぎる女の価値は紙より軽い<前編>

部屋に戻ると篤志が帰ってきていた。嬉しくて胸がキュンとした。

「帰ってくるなら教えてくれればよかったのに。そしたら私もっと早く帰ってきたのにな」

「え、ああ、何時になるかわかんなかったら」

「おなかすいてる? 何かつくるよ!」

「食ってきたからいらない」

 

夜、久しぶりに篤志に抱かれた。やっぱり違う。前は、時間をかけ、私の反応を確かめるように、丁寧に抱いてくれた。けれど、今日は前戯もほとんどなく挿入してきた。体がまだ反応していなかったので、少し痛かった。何かを口にしたらもう篤志はしてくれないような気がして我慢した。単に性欲を処理されただけのようなセックスだった。以前は、愛し合うたび、泣きそうなほど幸せな気持ちになった。実際、終わった直後、泣いてしまったこともある。「え、痛かった?」と聞かれ「うーうん、全然。幸せすぎて涙が出てきちゃったの」と言ったら「ったく、お前はあ」と優しい顔をして抱きしめられたこともあった。セックスするたび、愛されている実感を得た。しかし、今は逆だ。セックスをしてわかってしまった。もうダメなのかもしれない、と。

そう考え出したら、耐えきれず、夜中、篤志が寝入ったのを確認して、篤志のスマホを持ち出した。

篤志は眠りが深い。一度寝るとまわりがどんなにうるさくても起きない。

篤志の人差し指をそうっと持ち上げ、ロックを解除した。

 

LINEの画面を開いた。

いくつかのLINEの中に、カナオとのやりとりがあった。仕事してるんだもん。そりゃ、あるよね、と思いつつ、タップした。それは仕事とは一切関係のないやりとりだった。

「今からうちきなよ」

「了解です!大至急いきます」

「昨日は楽しかったです。鍵開けっ放しで帰っちゃってすみません」

「カナオさん、今週は会えないですか? 会いたいです!」

「空いたら連絡するー」

「カナオさん、今から会えないですか? すげえ会いたいです」

「無理——」

「今、広尾にいるんすけど、行っちゃダメですよね?」

「ストーカーみたいなことしないで。もう連絡しないで」

「すみませんでした」

二人のやりとりはそれで終わっていた。

 

カナオに遊ばれた篤志が熱を上げた。ただそれだけのことだけれど、篤志と二人でコケにされた気分でとてつもなくみじめだった。けれど、もう一方でカナオが飽きてくれてよかった、と安堵している自分もいた。

 

さらに画面を下げると

モデルの悠美とのやりとりを見つけた。

「あっちゃん、週末は仕事ー? 悠美オフだから、どっか連れてってー。てか、今日はうち帰るとか言って、他の女んとことかいってたら許さないんだからねー。愛してるー???」

「レンタカー借りとく」

「ちょっ! お返事それだけって怒 あ、マイとルミがあっちゃんと飲みたいっていってたから、来週みんなで飲もー。婚約発表的な? まだ早いかー」

「来週月曜以外だったらいいよ。マイとルミによろしく」

これって、もしかして遊びじゃなく本気? 少なくとも悠美の中では二人は付き合っていることになっている。

いや、モテる篤志のこと、悠美が勝手に熱をあげているだけで、遊びに決まっている。それなら、じっと時が過ぎるのを待っていれば、また篤志は戻ってくる。その証拠に篤志は今日は帰ってきたではないか。

ここで問い詰めたりしてはいけない。本命はあくまでも自分なのだから。

そう自分に言い聞かせて、篤志が眠るベッドに潜り込んだ。「ううん」と寝言を言いながら、篤志は佐知子を抱き寄せた。無意識とはいえ、自分を抱き寄せてくれる篤志。やはり本命は自分だ。佐知子は篤志を起こさないよう、声を殺して泣いた。

written by Yoshie Watanabe

篤志の浮気で悲しみにくれる佐知子。後編では更なる悲劇が。

 

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